最近何かとオイルやグミとかCBDを含む製品を目にし、ちょっとしたCBDブームの兆しを感じますね。
CBD(カンナビジオール)とは大麻の有効成分である「カンナビノイド」の一つで、140種以上あると言われるカンナビノイドの代表格とも言えるものですね。
摂取するとリラックス効果や、鎮痛作用、不眠など自律神経の不調を整えてくれる効果があるとかで、注目されています。
で、カンナビノイドのもう一つの代表格は「THC(テトラヒドロカンナビノール)」で、こちらは多くの方が大麻に持たれる印象を一手に請け負っている、幻覚作用や興奮作用を引き起こす化学物質です。
大麻の抽出成分であると言っても根や茎から抽出した「CBD」は認可されていますが、葉から抽出した「THC」は現状日本国内での取り扱い所持は「麻薬及び向精神薬取締法」によって違法です。
大麻の正式名称は「カンナビス・サティバ」で、育つ土壌によって大麻自体に含まれるカンナビノイドは変わってきます。
THCを10〜30%含むものを「マリファナ」。THC含有量が0.5%以下のものを「ヘンプ」と分類されます。
大体の方は「大麻=マリファナ=ヘンプ」と思い、その違いがあまり知られていないのではないでしょうか(かく言う私も調べてみるまでよく分かっていませんでした。加工して布になったらヘンプと呼び名になるのか…くらいに思っていました)*日本に自生する大麻は殆どがTHCを含まないヘンプだと言われています。
要はCBDとは、幻覚作用や興奮作用などのいわゆる「麻薬」的な効果を含まない大麻の抽出成分ですね。
で、この大麻の有効成分であるカンナビノイドですが、どうやら人体にも「カンナビノイド受容体」があるということが研究によって判明しました。
「受容体」とは、ある特定の化学物質を受け取る器官とでも言いますか、カンナビノイドが人体にピタリとハマると言う事であり、人体はそもそも体内でカンナビノイドを生成しているということですね。
人体におけるカンナビノイドの受容体。これを「内因性カンナビノイド受容体」と言います。
「内因性カンナビノイド受容体」は、脳の海馬、小脳、大脳皮質、扁桃体、大脳基底核、視床下部に存在しており、カンナビノイドが人体でどういう働きをしているかといえば、「恒常性維持機能(ホメオスタシス)」に関わってきます。
ここでまたややこしい単語の説明が必要ですが、「恒常性維持機能(ホメオスタシス)」とは我々の生命活動を無意識下に維持してくれている機能ですね。
意識しなくても、呼吸しているし、臓器は動いているし、暑ければ汗をかいて体温調節するし、このような無意識下で肉体を生かし、生命を維持してくれている機能が「恒常性維持機能(ホメオスタシス)」です。
で、カンナビノイドは、自律神経の乱れやホルモンの調整、セロトニンやドーパミンなどの気分調整伝達物質の放出などを、恒常的に調整する役割を担っています。これを「エンドカンナビノイドシステム(ECS)」と言います。
さて、なんだか意図せず、ややこしい単語が飛び交うややこしい話になってきましたが…
要は…
大麻の有効成分であるカンナビノイドは「人体に適しており、人体を正常な状態に整えてくれるものです」なので、CBDを摂取することで乱れた自律神経を正常に戻すことができます。
というのがここまでのお話です。
ここからは大麻と人類の歴史について少し振り返ってみましょうか…
大麻は「人類が一番最初に栽培した農作物」と言われ、およそ1万2千年前の中央アジアから大麻と人類のお付き合いが始まりました。
根や茎からは丈夫な繊維が作られ、「麻の実」として知られる種子は現在ではスーパーフードとも言われ、良質なタンパク質(ヘンププロテイン)とオメガ脂肪酸を豊富に含んでいます。
そして前出した大麻の有効成分である「カンナビノイド」は自律神経を整えてくれるのに役立ってきました。
人類と大麻はこのように長い間良好な関係を築いてきたのです。
しかし現代においては、日本を始め多くの国で基本的に違法となっているのは何故でしょう…(アメリカも州によっては合法化が進んでいますが、国として違法となっています…ややこしい)
これにはかつてのアメリカでの「禁酒法(1920〜1933)」が元凶と言われていますね。
飲酒を取り締まるために、大量の取締官を雇用したのですが、禁酒法の終了と共に取締官たちはお役御免となって、職を失い大量の失業者を生み出してしまう危機に瀕したのです…そこで新たに取り締まりの対象として、矢面に立たされたのが当時メキシコ移民たちがコソコソ吸っていた大麻だったということですね。
大麻が悪いから違法になったのではなく、政策によって悪者に担ぎ上げられてしまったのです。(日本で大麻が違法になったのは敗戦後GHQの指導によるものですが、前述した通り日本に自生する大麻はTHCを含まない“ヘンプ”であり、日本ではトリップ目的に大麻が使われた事がなく、貴重な繊維として重宝されていたので、「大麻は違法である」というGHQの指導に当時の政府はじめ国民は非常に困惑したそうです。)
この影響で近代科学による大麻の研究も非常に遅れました。
先程取り上げました、『人体に元々「内因性カンナビノイド受容体」が備わっていると判明した』のも、大麻の有効性を研究した結果ではなく、「大麻が如何に人体に悪影響を及ぼすか」と、大麻を貶めるための研究で偶然に発見してしまった事実です。
大麻の有害性を研究していたはずが、逆の事実(有効性)が次々と解明されてしまった訳です。
という具合に、元々人類と密接な関係にあったはずの大麻が違法になった歴史背景と、大麻が科学的に見ても有害なものではないという事実も明るみに出つつあり、現在ではいろんなところで「大麻を解禁しろ!」という声が上がっているのですね。
とまぁ、こうやってみるとTHCは置いといたとしても、CBDは自律神経を整えてくれるサプリ的な立ち位置としてもっと市民権を得てもいいのでないかと思えますが…
しかし、ここで注意が必要なのは、確かにCBDは自律神経を整え、体を正常に戻してくれるでしょうが、あくまでも正常に戻すだけであり±0です。
自分の限界を超えた良い状態にしてくれる物ではありません。
それに現状では輸入元によって、かなり品質に差もあるようで、不純物が混じっていたり、場合によってはTHCが含まれたりしているようです。(確かにCBDは多少のTHCと一緒に摂取した方が効能が高いらしいですが…)
THCを含有するものは違法となります。
現状全ての国家で合法化されているものではないし、どうしてもルートと品質が不安定な所がありますし、まだまだ研究も途上なので、副作用や耐性の有無などまだハッキリしていない事が多いです。
だったら今焦ってCBDを使用しなくても、もう少し法整備や研究が進んでからの方が良いのではないかなぁ〜って個人的には思います。
いくら人体にカンナビノイドの受容体があるからといって、必ずしも体外から摂取しなければいけないものでは無いです。
例えば、ケシの実から作られる麻薬はアヘンですが、そのアヘンの有効成分は鎮痛作用をもたす事で有名な「モルヒネ」です。このモルヒネも実は人体に受容体が存在します。それは「エンドルフィン(体内性モルヒネ=エンドジーナス・モルフィン)」の受容体です。
では、受容体があるからと言って無節操にモルヒネを投与しまくればいいかというと、そうでは無いですよね。
あくまで必要に迫られた場合にのみ使用するべきです。
わざわざCBDを使用してカンナビノイドを摂取しなくとも、内因性のカンナビノイドを適切に生成できる肉体であれば良いのです。
では、その肉体をどうやって手に入れるか…
そう「運動」すりゃ〜いいのです!
しっかりと運動することで、最強の脳内物質や奇跡の物質と言われる「BDNF(脳由来神経栄養因子)」が分泌されます。
このBDNFについてはここで詳しく書きすぎると長くなり過ぎるので、諸々と端折りますが、これは海馬の萎縮を防ぐどころか海馬を肥大化させ、ストレス低減、アンチエイジング、思考能力の向上、集中力を養うなど様々な恩恵を人体にもたらしてくれます。
ではどういう運動をすれば良いかいうと、これはなんでも良いです。
もっと詳しく書き出すと、運動の種類によって色々と効果も分かれますが…ここでは書ききれないのでまたの機会に…とにかく運動は良い!のです。
一日30分〜40分程度の心拍数が上がる運動を続けることで、上記したBDNFによる素晴らしい恩恵の数々に預かれるのです。
心拍数については最大心拍の70%くらいがベストと言われています。(運動の種類によっては80〜90%とも言われますが、この数値はめっちゃキツいです)
最大心拍の計算は220から自分の年齢を引いた数値が自分の最大心拍数です。
私は41なので「220ー41=179」が最大心拍となり、この7割を目指すとなると「179×0.7=125」になりますね。
心拍数はスマートウォッチなどで測れもしますが、最大心拍の7割とは体感として少し息が切れるくらいですね。
早歩きのウォーキングくらいが丁度いいかもしれないですね。
さてさて、なんかめっちゃ長くなりましたが、今回私が何を言いたかったと言えば…
大麻やCBDに対して現在科学的に判明している有効性は認めますが、鼻息荒くして「大麻を解禁しろ!」と言いたい訳ではなく…
わざわざそんなもの使わんくても運動すりゃいいじゃない。
という事です。
個人的な偏見ですが、大麻は謂わばファッション的な側面が強く感じますし、有効性で言えば運動の方がはるかに有効じゃないですか。
大麻の説明で長くなりすぎたので、運動とBDNFについてはまた改めてどこかで取り上げてみますか…。
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