さて、現代日本では100人に6人、6%の人間が「うつ」に罹ると言われています…(実際にはもう少し多い気もしますが)
一昔前では「うつは甘えだ!」とか、うつを病気ではなく単なる“心の持ちよう”だと考える人も多かったですが、それは少々早計であり乱暴な意見と言わざるを得ないでしょう。
うつは過剰なストレスによって引き起こされるれっきとした病気です。
例えば、許容量以上の酒を飲み過ぎれば肝臓やその他の臓器が損傷し様々な病気を引き起こすことになる、なんてことは誰でも理解できると思います。
同じ様に、外部からの過剰なストレスはストレスホルモンであるコルチゾールの過剰分泌を促し、最終的には脳の海馬が萎縮してしまい、正常な記憶能力も判断能力も失ってしまうという症状に追い込まれてしまいます。
うつとは、脳が機能不全に陥った状態です。
こんな状態の人間を病人と言わずになんというか…
他の身体的な病気と違って、中々他人からは理解しづらい病気ですが…「心臓が悪くて…」って人に対して「嘘つけ!ちょっと開いて見せてみろ!」なんて言わないですよね?
それと同じです。
で、今回は何が言いたいのかといえば、ストレスには適切に対処しなければ大変な事になっちまうよって事ですが…
同じストレスでも、人によってストレス耐性の閾値(いきち)はまばらなので「この程度のストレスで何うつになってんだ!?」とも言えませんし、ストレスを自分だけの基準で他人に当てはめるのは下戸に酒を強要するのと同様に危険です。
できる事なら、どんなストレスとも無縁でありたいものですが(ストレスによるコルチゾールの過剰分泌が慢性的に続くと、お腹周りに脂肪が溜まりやすくなるとかなんとかで…更に厄介な事にお腹周りの贅肉は全身を炎症させるので老化を促進させます)
しかしながら社会生活を送る以上、ある程度のストレスは避けては通れません…
では、ストレスに対してどう対処するのが最善か…
それはストレス耐性の閾値を上げる事しかできませんよね。
他人や環境などは自分の意思で今すぐにどうにか出来るものでもないし、どうにかしたいと思っているならそれこそストレスの最大の元凶となります。
自分の意思で変えられないものは変えられないと割り切ることがとても大切です。
基本的に、この社会において自分の意思で変えられるものがあるとしたら、それは自分だけです。
ではでは、自分がどのように変わればストレスに対して強くなるのか…何をもってストレス耐性の閾値を上げるか…その鍵を握るのが「適度のストレス」なんです。
え???
って感じですね。
そうなんですよね、ストレスに強くなる為には自ら適度なストレスを迎え入れる事が重要なのです。
こんな話があります…
原子力造船所で働く労働者たちを対象としたとある調査が行われました。
労働者たちを「ごく微量の放射線を発する物質を扱うグループ」と、「放射線とは無縁のグループ」とに分け、継続的被曝が人体の健康にどのような影響を及ぼすかという調査が行われたのですが、結果は驚くべきものでした。
なんと、ごく微量の放射線によって被曝していたグループが、そうでないグループより健康になっていたのです。
後年の追跡調査によると、死亡率も被曝していたグループの方が24%も低かったそうなのです。
もちろん高レベルの放射線は人体に悪影響を及ぼすことは言わずもがなですが…ごく微量の放射線が及ぼすストレスが人体を強靭にしていたのです。
面白い話ですよね。(かといって放射線が健康に良いという話ではありませんので、その辺は誤解なきようお願いします)
では、我々の日常において自ら迎え入れる適度のストレスとは一体…
もちろん放射線を浴びに行くなんて馬鹿な事は考えないように…そんなことしなくても簡単にストレスに強くなり、心身ともに健康になれる方法を我々は既に手にしています。
もうお分かりでしょう…これはハイ、こちらで何度も言っているように、スバリ「運動」ですね。
運動の及ぼす適度なストレスこそ脳機能を正常に保ち、なおかつストレス耐性の閾値を爆増してくれる最強のツールです。
体の健康の為というよりむしろ精神衛生、心の健康の為に運動は欠かせないものです。
人間とは元来、狩猟などでガンガン動き回って進化し、動くことを前提に遺伝子に刻み込んできた生き物なので、現代のように過剰なカロリー摂取&運動しない生活というのは、生物として不協和が生じてしまうんでしょうな。
というわけで、ぜひ運動は習慣化しましょう。
できれば定期的に激しい運動をするのが好ましいですが、じゃなければ軽めの有酸素運動、早足の散歩を日に3〜40分程度するだけでもかなりストレス耐性は強くなり、メンタルは安定するはずです。
動かない生活がストレスに弱くなり、ストレスに弱くなると肥満を促進し、肥満が老化を促進する…だから「動けデブ!」というところです。
はい、ここまでが言いたいことの5割くらいですかね…
私は「うつはれっきとした病気である」と述べました。
確かに、劣悪な環境による過剰なストレス、いじめやブラックな職場などによって「うつ」を発症してしまうケースはあり、それらは社会的に容認できるものでもないし、運悪くそのような環境に陥ってしまう方には同情を禁じ得ませんませんが…
が、です。
私がどうしても理解できない、同情できない、もっと言えば大嫌いな「うつ的な傾向」の人間がいます。
それは「他人に過度な期待を押し付ける人間」です。
人に自分勝手な期待を寄せ、それが叶えられなければ勝手に裏切られたと思い込む、傷つきやすく「繊細でデリケートなの私」アピール…
特段、外部や他人からストレスを与えられるわけでもないのに、自らなんでもかんでもストレスに変換して「どう、私こんなに辛いの(チラッ)」ってやるような馬鹿な人間は大嫌いですね。
他人は信頼してもいいでしょう(関係性にもよりますが)
しかし、他人に一方的に何かを期待するのは、おこがましい事であると思います。
あと「うつ」を回避手段に使う人間もたまにいますが、これもあまりよろしくない。
様々なものから逃げ、回避し続けた結果「うつ」になったのに、今度は「うつ」を回避手段に用い始める負のスパイラルハリケーンを繰り出す。
どういうことかといえば、何かを「やりたい!」と自ら望んで始めたことも、少し嫌な事があれば「持病のうつが悪化して…」と言って逃げ出す…これはではもう出口がないので…
「うつ」という自覚があるうちは、まずはそれを治すことに専念しないと…それをしないで他の事やろうとしてもうまくいくはずないですよ。
当たり前ですが病気には療養が一番です。
そんなことより何より、運動で心身を鍛えましょう。
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