合成道場「背景合成編」


ハイ、というわけで前回に引き続き画像合成のお話です。

今回は、素材と背景を合成させる「背景合成編」となります。



1.素材の準備

今回使用する背景は私が信号待ちの時に、適当に撮ったこの写真でいきましょう。
我らのエムザ!

これに、予め用意しておいたこの素材を合成しましょう。
ハイ、おなじみシンウルトラマンさんのソフビを加工したものです。

この素材を適当に背景にぶち込むと…

とんでもない雑コラが爆誕します。

これじゃあ、ダメです。ダメダメです。

ウルトラマンさんにはビルの後ろに行ってもらいたいです。

2.空を選択

ウルトラマンさんを建物の後ろに移動させる方法はいくつかありますが、今回は選択ツールの「空を選択」を使ってみましょう。

「空を選択」を適用すると…

なんと自動で「空」を認識して空だけで選択範囲を作ってくれます。(若干ムラはありますが)

この選択範囲でウルトラマンさんに「レイヤーマスクを適用」します。
すると、ウルトラマンさんが写るのは「空の範囲内のみ」となりますので…

こうなります。

あっという間にウルトラマンさんが、ビルの後ろに移動したかのように見えます。
「空を選択」はとても便利な機能ですね。

しかし、このままではウルトラマンさんが浮いて見えますね…なので背景写真と馴染むように調整していきます。

3.空の色を乗せる

背景写真との親和性を高めるには、素材に空の色を乗せてあげると馴染みやすくなります。

こんな具合ですね。

ウルトラマンさんのレイヤーマスクから「ベタ塗り」レイヤーを制作し、カラーピッカーで空の色を選択します。

さぁ、ここまで長い道のりでしたが、これにていよいよ完結です。

「シンウルトラマン水色になる!」ご愛読いただき誠にありがとうございました。

さ、次行ってみましょう。

この「ベタ塗り」レイヤーの描写モードを「ソフトライト」にしましょう。
おや?なんだかそれっぽく見えてきました。

しかし、まだ何だか顔色が悪く見えますね…こんな時は「べた塗り」レイヤーの「塗り」を下げて調整しましょう。

だんだん馴染んできたかのように見えます。

4.光源の調整

素材に空の色を乗せたら光源の位置を気にしてみましょう。

光源の位置とは光の射す方向ですね。

この背景画像は左上から光が差し込んでいます。

それに合わせてウルトラマンさんにも陰影を施しましょう。

空の色を乗せた時と同じように「ベタ塗り」レイヤーで黒にベタ塗りします。

これも描写モードを「ソフトライト」に
全体的に暗く影が射したようになりました。影のある男ウルトラマン。

しかし、左上に光源があるということは、右側に影ができなければなりません。
この場合はウルトラマンさんの背中側ですね。

レイヤーマスクをペンツールで削って調整しましょう。
*今更ですが、レイヤーマスクは黒く塗られる箇所が消え、白で塗られる箇所が描写範囲となります。

影を調整したら、今度は光が当たる前面を明るくしてあげましょう。

「トーンカーブ」レイヤーを適用します。
影と同様にいらない箇所は削って調整しましょう。
*この画像は未調整です、調整過程のスクショ撮り忘れてました。

5.背景も調整

さて、ウルトラマンさんを配置し、調整して馴染ませてきました。

いきなりですが、もう光線を合成しちゃいます!
*なぜならスクショを撮り忘れていたから。
良い感じっぽいですね。

しかし、空が明るい分、せっかくの光線が見えにくい…

ならば、背景を調整だ!

「空を選択」から作っておいたレイヤーマスクから、再び空を選択範囲とし、「トーンカーブ」レイヤーを適用します。

背景画像の空だけを少し暗くします。

こんな具合に場合によっては背景も調整して、自分の好みに馴染ませていきます。

6.違和感の正体を突き止める

ここにきてようやく完成か…しかし、まだ何か違和感が…

この違和感の正体を私は「ウルトラマンの彩度が高い」からだと判断しました。

そして彩度を調整して出来上がったものがこちら…

このように最後まで違和感を探し、少しでも違和感を感じたら、その正体を突き止めるようにしましょう。

おまけ.「空を置き換え」

ちょいとおまけです。

Photoshopには「空を置き換え」という編集ツールがあり、これを使うと、空を色々と変えることができるのですが、これがかなり面白いのです。

例えば「青空」を「夕焼け」に自動で置き換えてくれるのです。

ちょっと、さわり程度にご紹介します。

編集ツールの中にあります。

これを適用すると…
こんな具合に色々と空を変えられるのです。

しかし、ただ空を変えられるから変えれば良いってもんじゃなく、意味を持って使いたいですね。

そして、空を変えれば、当然他も調整しなければなりません。


で、空に合わせて背景と被写体を調整すると、こういう感じになりますかね。



こんなところで、合成道場「背景合成編」はお終いとなります。

ところで、私は一体何をやっているんでしょうか…

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